2024-04-22から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 3」

二 家に着いた。 カードキーで中に入った。 僕の部屋から大きな声と赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。 僕は慌てて三階に上がった。 僕の部屋を開けると、母と父が僕を見た後、「京介」と言った。 きくが立ち上がり、僕に抱きついてきた。 まだびしょ濡れの着物…

小説「僕が、剣道ですか? 3」

僕が、剣道ですか? 3 麻土 翔 僕は西日比谷高校の一年生。ある日、雷にうたれて過去に飛ぶ。そこで白鶴藩の家老の奥方を救い、その家老の屋敷で生活するようになる。世話係としてきくが選ばれ、きくとの間にききょうという女の子を授かる。 いろいろなこと…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

四十 僕は大きくくしゃみをした。目を開ければ僕はベッドの上だった。 「京介、わかる」と言う母の声が聞こえた。そして、ナースコールのボタンを押した。 看護師が来て僕を診た。 「先生をお呼びしますからね」と看護師は言った。 ほどなく医師が来た。 僕…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

三十九ー2 昼頃になって、「堤邸に行ってくる」と言うと、きくは「わたしも」と言い出した。 「きく。私も京太郎と別れがしたいんだ。分かってくれ」 「おたえさんともでしょ」ときくは言った。 「すぐ戻る」 堤邸に行くと、堤は登城していて、たえと小姓と…