2023-10-20から1日間の記事一覧

小説「僕が、警察官ですか? 3」

五 月曜日だった。今日は、西新宿署に行って剣道をする曜日だったので、剣道の道具を持って、家を出た。 黒金署に着くと、山田の取調は今日も続いていた。 僕は安全防犯対策課に入ると、デスクに着いた。 緑川が自分の席から僕に向かって、「取調は難航して…

小説「僕が、警察官ですか? 3」

四 捜査一課が、こちらが渡した情報から、重要参考人を割り出すことは時間の問題だった。 だが、割り出された重要参考人が、犯人でないことを僕は知っている。どうすればいいのだろう。そればかりを考えていた。 「課長」と緑川が呼んだ。顔を上げると、緑川…

小説「僕が、警察官ですか? 3」

三 鑑識は家の内部の焼け具合が激しいことから、火元は最初は天麩羅鍋の油が燃え出したものと考えた。それと、もう一つは居間の新聞である。居間も激しく燃えていた。そこには新聞紙が積み上げられていた。煙草の吸い殻も見つかった。ここも火元と見られた。…