2022-03-16から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 5」

十九-2 僕は道着に着替えて、道場の中央に立った。 竹内源五郎が門弟に「よく見ておくんだぞ」と言った。 僕らは相対すると、一礼をして、木刀の先を重ねた。その時、竹内源五郎の「始めぃ」の声がかかったが、次の瞬間、僕の木刀は荒木重左衛門ののど元に…

小説「僕が、剣道ですか? 5」

十九-1 次の宿場に来ていた。ここは通過するか、甘味所でも見付ければ入るつもりだった。 だが、途中で珍しく道場を見付けてしまった。「鏡殿」と風車が言った。 風車は道場の前を黙って通過するつもりはなかったようだ。「入りましょうよ」と風車が言った…