2021-10-25から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 2」

二十五 屋敷に戻ると、明日の準備をした。 革手袋は、昨夜渡されたが、綺麗に縫われていた。 九月の下旬ともなると夜の山は寒い。なるべく温かい格好をして行くことにした。 シューズは念のため、もう一足も持っていくことにした。 きくが、餅と乾燥させた柿…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

二十四-2 佐野助と別れると、屋敷に戻った。 きくに飛田村に行く話をした。「なんで鏡様がそんな所に」ときくは言った。「関係ないじゃありませんか」「そうだな」「それに、鏡様のお命を狙った奴らですよ。どうなろうと知ったことじゃないじゃないですか…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

二十四-1 山賊たちが今月下旬に飛田村を襲うとしたら、時間がなかった。 山奉行佐伯主水之介に会いに行った。 今までのいきさつを忌憚なく話した。「それはおぬしが気にすることではあるまい」「そうですが」「自ら蒔いた種だ。刈るのは自分たちでする他は…