2021-09-24から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 2」

八 二日後に鍛冶屋、源蔵の所に刀を取りに行った。「これで妖刀は切れる。しかし、おぬしの持つこの刀もその妖気を吸うことになるぞ」「そうなるとどうなります」 源蔵は僕の顔をじっと見た。「普通は刀に囚われる。しかし、おぬしはそうはならぬようじゃな…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

七-2 家老屋敷に戻った。道場の者は帰っていた。 相川、佐々木、落合、長崎、島村、沢田が残っていた。 それぞれ組になって打ち合っていた。 僕を見ると寄ってきた。「私たちに足りないものは何でしょうか」 皆が真剣な眼差しを向けている。「速さだな」「…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

七-1 家老家の菩提寺の住職に妖刀の話をした。「それはやっかいな話ですな」「と言うと」「妖気がその刀を持っている者を守っているのでしょう。とすれば、その妖気を断ち切らなければならない」「そうですね」「鏡殿にそれができますか」 僕は首を左右に…