2021-07-04から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑 夏美編」

十六-1 十二月下旬になると、夏美は学校に行き、担任と相談をした結果、とにかく二月早々にある有名私立中学校と国立中学校を受験する事に決めた。 国立某中学校は、来月一月の中旬になってすぐの二日間のみ窓口受付を行い、有名私立中学校の方は、郵送であ…

小説「真理の微笑 夏美編」

十五-2 次に証人席に呼ばれたのは、富岡修の妻、真理子だった。真理子が傍聴席から立ち上がった時、ほう、という響めきが起こった。「証人の名前を言ってください」「富岡真理子です」 証人の人定質問が終わった後で、「証人と被告人との関係は」と弁護士が…

小説「真理の微笑 夏美編」

十五-1 第二回公判は十二月の中旬だった。祐一の業者テストが行われる時期と、学期末テストの時期に当たっていた。 しかし、公判を休むわけにはいかず、夏美は前と同じような席に座った。真理子も同じように座っていた。 第二回公判は、まず検察側の証拠の…