2024-04-10から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 2」

二十一ー1 四日間はあっという間に過ぎた。 その間に、いい考えを思いついたわけではなかった。 しかし、今日、堤道場の師範代を決めると約束してしまっていた。出かけないわけにはいかなかった。 「浮かない顔をしていますね」ときくが言った。 「そうか」…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

二十 三日間、堤道場には行かなかった。 祝宴や祝辞を述べる来客が多いと思ったからだった。城中にも登城したことだろう。 とにかく、遠慮していた。 しかし、四日目に堤道場から門弟の使いが来た。ぜひ、訪ねてきて欲しいという堤の要望だった。その門弟と…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

十九-2 次の日、道場に出ると真剣白刃取りの話題で持ちきりだった。 「静まれ」 そう言わなければ、いつまでも話していただろう。この道場の者たちは、もちろん真剣白刃取りを見てはいなかった。噂だけを聞いていた。 「見せてやろう」と僕が言った時、皆…