2024-02-27から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑 夏美編」

五-一 十二月の中頃、夏美の元へ高瀬から分厚い封筒で三百万円の現金が送られてきた。 『隆一様 素敵なクリスマスプレゼントありがとう。三百万円、確かに受け取りました。あなたの書かれた住所も電話番号も、名前のようにでたらめでしたね。電話をかけたけ…

小説「真理の微笑 夏美編」

四-一 『隆一様 メモ通りに設定しました。わたしには難しくて、よくわからないところもありましたが、何とか終える事ができました。このメールが無事届くといいですね。 今、わたしたちは埼玉のわたしの実家にいます。祐一は転校してきたばかりで、まだ友達…

小説「真理の微笑 夏美編」

三 午後七時頃、電話があった。父が出ると、その電話は切れてしまった。夕食の用意をしていた夏美は、父が出る前に受話器を取ろうとしたが、またも父が出てしまい電話は切れた。父が食卓の方に来たので、夏美は電話機の前で待っていると、三度目の電話が鳴っ…