2024-01-31から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑 真理子編」

二十四 日曜日らしい日曜日を過ごした真理子は、月曜日に病院に寄った。午前八時を少し過ぎた頃だった。 秋月医師と湯川医師から話があるというのは、土曜日に聞いた留守電で知っていたので、二人が現れるのを待った。 ナースステーション前のソファに座って…

小説「真理の微笑 真理子編」

二十三 高木が社長室から出ていこうとする時、真理子は明日の土曜日に会社に来られないことを思い出した。 「高木さん」と声をかけた真理子は、事情を話して「それで土曜日には会社に来られないので、お願いしますね」と言った。 「そういうことでしたら、わ…

小説「真理の微笑 真理子編」

二十二 真理子は、午後一時になると、須藤のところに電話した。 真理子の提示した二百万円という数字は、当然予想していたよりもかなり低かったのだろう。しばらく沈黙が続いた。その沈黙の中には、怒りもあっただろう。 やがて須藤が「条件があるが聞いても…