2023-10-13から1日間の記事一覧

小説「僕が、警察官ですか? 2」

三十五 僕はきくの注いでくれたビールを飲んだ。 だが、また事件のことに頭は傾いていく。 芦田は、明日も川村が同じ電車に乗ったのなら、もはや、それが川村の運命なのだと思った。自分に絞殺されるのだ。川村はそのために生きてきたのだ、と芦田は思った。…

小説「僕が、警察官ですか? 2」

三十四 僕が歩いて西新宿署から自宅に帰ったのは、午後七時頃だった。 きくとききょうと京一郎が玄関で出迎えてくれた。 僕はホッとした。この一日の嫌な思いが消える気がした。 すぐに風呂に入ることにした。京一郎が一緒に風呂についてきた。 京一郎が自分…

小説「僕が、警察官ですか? 2」

三十三 芦田勇は北府中市の北府中駅から歩いて五分の所にある会社に行くために、北府中駅に十分で行ける椿ヶ丘駅の近くのマンションの三階三〇三号室を借りた。自転車は秋田から持ってきた。買物に行くのに便利だったからだ。本当は別の目的があった。獲物を…