2023-04-14から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 1」

十六 早朝だった。 昨夜もきくとは交わらなかった。ただ、抱いて眠りはした。 きくはまだ眠っていた。起こさないように、きくから離れた。 立ち上がると躰が軽い。 毒の影響はすっかり無くなっていた。 障子を開けて廊下に出ると、まだ月は低く浮かんでいた…

小説「僕が、剣道ですか? 1」

十五 前の晩はきくと口づけをしただけで眠った。 きくを抱けるほど躰は回復していたわけではなかった。 しかし、朝起きると、自分で半身を起こせるだけでなく、まだ少しふらついてはいたが、立ち上がることもできるようになっていた。 きくがそんな僕を見て…

小説「僕が、剣道ですか? 1」

十四 きくと二人だけになるとホッとした。 横になろうとした時に股間がもごもごするので、手を当ててみた。おむつをしていた。 三日三晩、意識を失っていたのだから、下の世話は大変だったろうと思った。 「済まなかったね」と呟いていた。 「何ですの」とき…