2023-03-31から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑 夏美編」

十五 第二回公判は十二月の中旬だった。祐一の業者テストが行われる時期と、学期末テストの時期に当たっていた。 しかし、公判を休むわけにはいかず、夏美は前と同じような席に座った。真理子も同じように座っていた。 第二回公判は、まず検察側の証拠の提示…

小説「真理の微笑 夏美編」

十四 九月になった。二学期になって、祐一は学校に行くのを嫌がった。大勢いる中で、一人だけなのが堪えられなかったのだ。祐一はせめて一学期だけは頑張って学校に通ったが、夏休みの間も誰も友達は来なかった。学校のプールに行く日も休んだ。 夏美は学校…