二十四 二人の刑事が出て行くと、「何あれ」と真理子は怒っていた。 「その誰かの失踪とあなたの事故がどう関係があると言うのよ。邪推もほどほどにして欲しいわ」 真理子の怒りは当然だった。事故の事を訊きに来るのなら、まだしも、高瀬隆一の失踪について…
二十三 次の日も午前中には真理子は姿を見せなかった。 昼食後、リハビリが始まった。 四階のリハビリルームに行くと、看護師が富岡修と書き込んで理学療法士を紹介した。 「矢島です、よろしく」 まず手指の練習から入った。手首を回すところから始めて、そ…
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