2022-02-03から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 4」

十六-1 朝餉が済むと、肌着を着て、昨夜、干した着物を着た。床の間から刀を取ると、帯に差した。その格好で玄関に向かうと、「袴を穿かれた方が良さそうですな」と言われた。「私には、これしか着る物がなくて」と言うと「今、持ってこさせます」と言った…

小説「僕が、剣道ですか? 4」

十五 朝餉も終わろうとしていた頃だった。 僕は木村彪吾に、思いきって「この際ですから、私を城中に入れさせては貰えませんか」と言った。 木村彪吾は「いかなる名目で入城されるおつもりですか」と訊いた。僕は、「私には、見せ技の一つに真剣白刃取りとい…