2021-09-21から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 2」

六-2 家老家の菩提寺に向かった時に、五人の忍びに付けられた。境内に上がる階段の前で、僕は叫んだ。「何故、付け狙う」「それが我らの使命だからじゃ」 年老いた声が聞こえた。「そうなのか。斉藤頼母とは、どんな関係があるんだ」「知っておるのか」「…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

六-1 家老屋敷の道場は、朝から稽古の声が聞こえていた。 型練習を始めてから、その型を覚えようと皆、必死だった。役に立たない英語のアクセント問題をやっているようなものだが、何もしないより、やっている感じはあるので、それなりに充実しているのだ…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

五 三晩連続で辻斬りが出た。複数の侍がいても平気なようで、むしろ多いほど辻斬りを楽しんでいるようだと言われているくらいだった。三晩に十人もの人が斬られているのだから、城中でも話題になっていて、家老は夕餉の席で、「町奉行の田島権左衛門に、鏡殿…