2021-08-20から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 1」

二十八 次の日の午前中、城より使いの者が来て、大目付より鏡京介に質疑があるとの伝言が伝えられた。 鏡京介は、城に上がる支度をきくにしてもらい、伝言を伝えに来た者と一緒に登城した。 殿中に入る前に、若侍に刀を渡し、控えの間に通された。 襖が開け…

小説「僕が、剣道ですか? 1」

二十七 朝、道場に行けば、小手の次に胴、突きそして面の打ち方を教えた。そのうちに、連続技も教えるつもりだった。 一の日が来たので、僕は堤道場に行った。 たえが門の所で待っていて、「家に寄っていきますか」と言うので、「道場の稽古風景を見学させて…

小説「僕が、剣道ですか? 1」

二十六-2 玄関を出た後も、角まで歩いた。 たえは、袖を口元に持って行き、少し笑った。 僕が怪訝な顔で見ると、「おきくさんはかわいらしい娘さんですね」と言った。「どこがですか」と訊き返すと、たえは「お気付きになりませんか」と言った。 僕が首を…