2021-06-08から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑 真理子編」

五十七 次の日、真理子は車で高瀬を会社に送り届けると、「また迎えに来るからね」と言って社長室のドアを閉めた。 社内には、昨日の新年会の興奮がまだ残っていた。 真理子は車椅子をトランクに入れると、車を発進させた。何となく躰がだるい気がした。 一…

小説「真理の微笑 真理子編」

五十六 金曜日は、新年初出社の日だった。 真理子は高瀬を会社に送り、車椅子で会社の中に入っていくと、新年会の準備で忙しかった。高瀬を社長室まで連れて行くと真理子は帰った。 月曜日になった。今日は新年会の日だった。 新年会は午前十時に始まるので…

小説「真理の微笑 真理子編」

五十五 大晦日だった。起きたのは昼を過ぎていた。 昨夜と言うより、朝まで真理子は高瀬に抱かれていた。 高瀬が寝室の電気を消さず「真理子の顔を見ていたい」と言うので、恥ずかしかったがそうした。真理子は目を閉じ、いつか週刊誌に載っていた不鮮明な高…