2024-03-07から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 1」

十 夕餉の時に、明日の盗賊討伐の話を島田源太郎にした。 早朝出発することも伝えた。 「わかった。大変だろうが、くれぐれも頼み申す」と頭を下げられた。 「失敗はしません」と答えた。何の勝算もあるわけではなかった。 その夜は激しかった。きくが声を上…

小説「僕が、剣道ですか? 1」

九 討伐隊の面々を道場に集めた。 「不満かも知れないが、この討伐にあたっては私が指揮を執る」 佐竹から聞いていたらしく、一同は頷いた。 「では、これから明日の作戦会議を開く」 僕は懐から寺の見取り図を出して広げた。 「見取り図が見られるように、…

小説「僕が、剣道ですか? 1」

八 朝が来た。 目が覚めると、枕元に彼女がいた。よく見ると、可愛かった。だが、まだ十四歳だった。十四歳の女の子を抱いてしまったのだ。 「お目覚めですか」 「ああ、おはよう」と言うと「おはようございます」と返してきた。 「今日も、いい天気ですね」…