2024-01-11から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑」

五十五 朝、出社すると、高木からボーナスの件で相談を受けた。トミーワープロは三万ロットを超え、四万ロットを超えるのも時間の問題であるという報告があった。社員は八十名あまりである。分かりやすいように通常ボーナスに加えて、百万円の特別ボーナスを…

小説「真理の微笑」

五十四 会社に行く日になった。会社移転してすっかり真新しくなった会社にだった。朝から落ち着かなかった。それは当然だった。未知の領域に足を踏み込むのだから。 「大丈夫よ、わたしがついているから」 真理子は頼もしかった。 「そうだな」 介護タクシー…

小説「真理の微笑」

五十三 朝になっていた。眠剤を飲まないでも昨夜は眠れた。 あれからどれほど真理子を抱いただろう。 真理子は化粧台にいて、髪をとかしていた。私が起きた事に気付くと「おはよう」と言った。私も「おはよう」と返した。 「昨日のあなたは凄かったわね」 私…