2023-10-27から1日間の記事一覧

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十七 僕は愛妻弁当を食べ終わると、水筒のお茶を飲んだ。 この後、どうなるのかは予想がついた。山田の弁護士が釈放要求書を持ってくる。それに反対する理由がなければ、山田は釈放される。無罪放免というわけではない。罪については保留という形が取られる…

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十六 夕食をとった後も、僕は寝付けなかった。 ウイスキーを飲みながら、午後十一時からのニュースを見ていた。すると、犯人と名乗る男から「第二信が届きました」と言うキャスターの上ずった声が聞こえてきた。 「しばらく、お待ちください」と言って、別の…

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十五 午後一時になると、ズボンのポケットにひょうたんを入れて、緑川に「ちょっと出てくる」と言って安全防犯対策課を出た。 四階の待合席に行った。午前中に僕に声をかけてくれた女性に目礼して、席に座った。 ズボンのポケットのひょうたんを叩いて、「さ…