2023-09-04から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 7」

十二 入院後、学校に行くと、早速富樫が寄ってきた。幸い、今度は別のクラスだった。だから、休み時間しか会えない。 「お前、不死身だなぁ」と言うのが、挨拶のようなものだった。 その後で、「剣道部に入部の手続きはしておいたからな」と言った。 「おい…

小説「僕が、剣道ですか? 7」

十一 ベビーベッドにはききょうがいた。枠に掴まって立っていた。京一郎も起きていた。きくは京一郎に哺乳瓶からミルクを与えていた。 今は午後九時だった。 ネットで黒金金融の電話番号を調べた。電話したが、当然誰も出ない。 だったら、行くしかなかった…

小説「僕が、剣道ですか? 7」

十 一週間が過ぎるのは、長かった。その間に、富樫と沙由理が見舞いに来た。 富樫は相変わらずだった。 「この不死身野郎が」と言って、いきなりヘッドロックをしてきた。 「一応、入院中なんだけれどな」と僕が言うまで止めなかった。富樫のヘッドロックも…