2023-08-30から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 7」

三 風車の筆学所は、盛況だった。教え子がすでに三十人を越えていた。教える場所のキャパシティも超えていたので、昼餉までの部(午前の部)と昼餉からの部(午後の部)とに分けて教えていた。相手の理由で毎日来られない子もいた。それらの子は、授業料を按…

小説「僕が、剣道ですか? 7」

二 修太郎と修二郎は、朝餉の済んだ巳の刻(午前九時から十一時頃)の少し前に来た。 風車は、二人を表座敷に上げ座布団に座らせ、座卓の前に着かせた。彼らの横に風車が座ることになった。 硯などは、今日二人が来ることを予想して用意して置いた。両国に買…

小説「僕が、剣道ですか? 7」

僕が、剣道ですか? 7 麻土 翔 一 秋も過ぎ、寒さが増してきた頃だった。 みねは、年若いきくをたてて、二人は仲良く炊事をしていた。 もうすぐ朝餉だった。 みんなが、卓袱台の前に座った。僕が「頂きます」と言うと皆が「頂きます」と言って箸を取った。 …