2023-02-17から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑 真理子編」

二十 水曜日は午前七時には目覚めた。 今日が最初の難関だということはわかっていた。ただ、真理子の心の中は醒めていた。心配をするという気持ちは、欠片ほどもなかった。だが、その演技はしなくてはならなかった。七、八時間の演技は、結構疲れるだろう。…

小説「真理の微笑 真理子編」

十九 秋月と湯川とのやり取りは、一時間ほどで終わった。 今日は、これで帰ると滝川に言ってきたので、会社に戻る気にはなれなかった。時間が空いた。ナースステーションに行き、一目、富岡を見て帰れないかと話した。面会時間以外なのでと言われたが、一人…