2022-10-28から1日間の記事一覧

小説「僕が、警察官ですか? 4」

三十四 一月五日になった。僕はご祝儀を持って、タクシーでお茶の水の****ホテルまで行った。式は午前十一時から始まる予定だった。その三十分ほど前に着いた。控え室には、岸田信子と、峰岸康子の母が車椅子に乗って来ていた。 僕は二人に挨拶をして、…

小説「僕が、警察官ですか? 4」

三十三 家に帰ると、「レンタルのベビーベッドは明日届くわよ」と母が言った。 「へぇー、いつ頼んだの」と訊いた。 「赤ちゃんが生まれてすぐよ」と母は言った。 「手回しがいいんだな」と言うと、「こういうことはわたしの方が慣れているからね」と言った…

小説「僕が、警察官ですか? 4」

三十二 次の日、安全防犯対策課に行くと、鈴木が「何がいいか決まりましたか」と訊いた。 「哺乳瓶とキューブ型のミルクがいいって妻は言っていた」と言った。 「それじゃあ、明日までに買っておきますね」と鈴木は言った。 鈴木は忘年会のことで頭がいっぱ…