2022-06-13から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 7」

二十六 「今日も勝ちましたね」とあやめが言った。 「うん」 「当然ですね」 「そうだが、張り合いがない」 「でも、時を止められる倉持喜一郎がいるんでしょう」とあやめが言った。 「どうして分かるんだ」 「だって、主様は剣道のことでは、倉持喜一郎のこ…

小説「僕が、剣道ですか? 7」

二十五 家に着くと、いつものようにきくが出迎えてくれた。この三つ指の出迎えが見たくて、富樫は僕よりも先に玄関に入った。 きくは富樫を見て、「いらっしゃいませ」と言った。そして、僕が入って行くと、三つ指を付けて「お帰りなさいませ」と言った。 富…