2022-04-25から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 6」

十九 僕は久しぶりに定国を取り出して、中庭の畑ではないところで素振りをしていた。 野菜売りがやってきて、きくが何やら買っていたようだった。 僕は一汗をかくと、井戸から水を桶に汲んで、着物の上半身を脱ぐと手拭いで拭いた。 その時に、昼餉ができた…

小説「僕が、剣道ですか? 6」

十八 船着場に行き、船賃を払い、他の客と一緒に舟に乗った。 向う岸に着くと舟を降り、川岸に上がった。 川の向こうは浅草だった。 吉原は浅草寺の裏手にあった。粋な旦那衆に会った。 僕は門を潜り、高木屋を探した。見付けると、中に入った。女将が出て来…