2022-03-25から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 5」

三十 風呂を出ると、昼餉が用意されるまで布団で眠っていた。 この宿には、昼に用意する御膳が決まっていて、上中下の差があるだけだった。きくと風車が相談して上にした。 昼餉が用意されると、僕は起き上がり凄い勢いで食べた。 起きてみると、お腹が空い…

小説「僕が、剣道ですか? 5」

二十九 頬を叩く者がいた。 きくだった。隣に風車もいた。 足元には、斬り裂いた男が倒れていた。「あまりに帰りが遅いので、林を上がってきたのです」と風車が言った。 風車は千両箱を担いでいた。僕がそれに目をやると、「鏡殿を捜している間に盗まれては…