2022-02-22から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 4」

三十四 次の日、朝餉の後に、きくとききょうを京太郎の眠る墓に連れて行った。 そして、花と線香を手向けてきた。「ここにお前の弟が眠っているんだぞ」とききょうに言った。もちろん、ききょうに分かるはずもなかった。そして、ききょうに手を添えて、手を…

小説「僕が、剣道ですか? 4」

三十三 次の日、朝餉をとると、しばらくして出かけた。堤道場に行くためだった。 門の前をたえが掃いていた。「今日は、堤先生はいらっしゃるかな」と訊いた。「ええ、おります。昨日、鏡京介様がいらっしゃったことを話したら、残念がっていました。早くお…