2022-02-10から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 4」

二十四 その夜の宿は、一泊二食付き四百文の個室を頼んだ。代金は珍しく先払いだった。部屋は一階の角部屋だった。 ここも川湯だった。用心のために手ぬぐいに折たたみナイフを隠し持った。 しかし、襲われなかった。 湯から出ると、夕餉の用意がされていた…

小説「僕が、剣道ですか? 4」

二十三 翌朝は遅くまで眠っていた。従って、朝餉も遅くに食べた。 朝餉を食べてから髭を剃り、顔を洗った。そして、浴衣から着物に着替えた。 宿賃を払い、外に出たのは午前十時頃だったろう。 山道を通り、人気が途絶えた所で、二十人の忍びの者に囲まれた…

小説「僕が、剣道ですか? 4」

二十二 その日の宿は、個室なら一泊二食付きで四百文の所に泊まった。 一日抜いただけだったが、久しぶりに風呂に入った気分になった。髭を剃り顔を洗うと、ききょうを受け取り、半身浴の湯に浸かった。その間にきくは洗い物をし、自分の躰も洗った。 湯から…