2022-02-04から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 4」

十七 昼餉の時刻になり、鷹岡彦次郎は退席して行った。 それぞれの侍たちも広間から退出して行った。その中で、目付の木村彪吾が僕のところに駆け寄ってきた。「お見事でござった。これでわたしの面子も立ち申した。鏡殿のおかげでござる」「いや、なに、大…

小説「僕が、剣道ですか? 4」

十六-2 僕は、庭の廊下に腰を下ろした。 その脇を通り、若年寄、佐野五郎が、上がり石で草履を脱ぎ、広間に上がっていった。 やがて、指南役の坂岡十兵衛がやってきた。すらりとした長身だった。それでも、僕より五センチほど背が低かった。 坂岡十兵衛は…