2022-01-07から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 3」

三十六-1 工場を覗くと、屈強な男たちが少なくとも三十人以上いた。竜崎雄一は、工場の奥にいるか、事務所の中にいるのだろう。 とにかく姿は見えなかった。 僕は見える範囲の男たちの腕でも足でもいいから、クロスボウで矢を放った。十人は命中したが、こ…

小説「僕が、剣道ですか? 3」

三十五-2 旧黒金金属工業に着いたのは、正午五分前だった。歩きながら、ナックルダスターを取り出して、手に嵌め、その上から皮手袋をした。 黒金町に入ってから、つけてくる奴が二人いた。 門の前に立つといきなり、クロスボウの矢が襲ってきた。門の陰に…

小説「僕が、剣道ですか? 3」

三十五-1 一月六日、土曜日。 午前七時に目が覚めた。 明日は、いよいよ黒金高校と一戦を交えることになる。緊張感はなかった。 朝食をとった後、自分の部屋に籠もって、明日のプランをいろいろと練った。しかし、いくら考えてみても、実際に戦ってみなけ…