2021-11-11から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 2」

三十八 帰りも湯沢屋で一泊した。「あーあ、いい湯だ」 中島と近藤は上機嫌だった。大任を果たした安堵感が滲み出ていた。 僕はひたすら疲れを癒やしていた。 風呂から上がり、夕餉を食べると、布団が敷かれる前に僕は眠ってしまった。それだけ疲れていたの…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

三十七-2 試合場に出ると、氷室隆太郎は「鏡殿、おぬし本気か」と尋ねられた。「真剣でやるということだ」「本気ですが」「真剣でなかったから、二天一流は本差と脇差を使ったが、私の二天一流は真剣なら両方とも本差を使うが、いいのだね」「どっちでも同…