2021-10-22から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 2」

二十三「堤邸に行くんですね」 僕が草履を履こうとしたら、きくが後ろからききょうを抱っこしながら、そう言った。 僕はぴくんとした。その通りだったからだ。「待っててくださいね」 きくも草履を持ってきて、足袋を履き、「わたしも一緒に行きます」と言っ…

小説「僕が、剣道ですか? 2」

二十二-2 家老の屋敷に戻ってくると、きくがききょうを抱いて、僕を待っていた。 僕を見ると、すぐに「京太郎様が生まれたんですね」と言った。「えっ、どうしてそれを」「帰りが遅いので、使いの者を出したのです。そしたら、男の子が生まれたと言うでは…