2021-08-23から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 1」

三十 僕は、慣れない筆と紙で、状況を整理してみた。 今の藩主は病弱だが、側女に二歳になったばかりの男子がいる。しかし、二歳の男子では藩政は司れないから、それをやるのは、後ろ盾になっている側用人と大目付に四人の目付だ。それに対して、藩主の次男…

小説「僕が、剣道ですか? 1」

二十九 城から屋敷まで付けてくる者がいた。襲ってくる気配はなかったので、放っておいた。 風呂に入り、夕餉の時に島田源太郎や佐竹に今日の詮議について、話して聞かせた。「大目付がそんなことを言っておったか」「城内にいる御家老の身が心配です。島田…