2021-05-29から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑 真理子編」

四十七-1 真理子は高瀬の車椅子を窓辺に押していき、書斎から外の風景を見させた。「ねぇ、思い出す」 そう真理子が訊いたが、高瀬は首を左右に振った。 真理子が「そう、駄目なのね」と言うと、高瀬は「そうがっかりするなよ、俺はこうして真理子と二人だ…