2024-02-19から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑 真理子編」

五十一 夜のベッドで高瀬と抱き合った後、真理子は浴室でシャワーを浴びた。 真理子が寝室に戻ってくると、高瀬は「入院中、真理子のご両親もうちの両親も面会に来なかったけれど、どうしてだろう」と訊いた。 「知らなかったの」 「何も覚えていないんだ」 …

小説「真理の微笑 真理子編」

五十 次の日の朝、介護タクシーを呼んで、真理子は高瀬を社長室まで連れて行くと、高瀬は車椅子から真理子の手を借りなくても自分で椅子に座った。 「俺は大丈夫だから、真理子は介護用の車の方を頼むよ」と言った。 「わかったわ」と真理子は応えると、社長…

小説「真理の微笑 真理子編」

四十九 今日は、会社に出る日だった。介護タクシーを呼んで出社した。 慣れないので、印刷した地図を運転手に見せ、道順を辿りながら会社に行くと、移転した会社は見違えるようだった。 真理子は高瀬を見ていて、朝から落ち着かないようだった。これからこの…