2023-10-26から1日間の記事一覧

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十四 自宅に戻ったのは、午後十一時半を過ぎていた。 きくは起きて待っていた。 「寝ていればいいのに。躰にさわるよ」と言うと、きくは「病気じゃないんだから、大丈夫です」と応えた。 椅子から立ち上がろうとすると、きくが「ウィスキーを飲みたいんでし…

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十三 五月中旬を過ぎようとしていた。山田の自供を取れずに、捜査一課二係は焦っていた。山田の勾留期限はあと僅かだった。こうなれば、山田は頑張り通すだろう。自供が取れなければ、釈放するしかなくなる。しかし、僕は毎日のように山田を陰から応援してい…

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十二 夕食は赤ちゃんの話題で盛り上がった。 ききょうが一番興味を示した。 「早く、赤ちゃんに会いたいな。男の子かしら、女の子かしら」 京一郎は「ぼくは弟が欲しいな。妹でもいいけれど」と言った。 きくは「どちらにしても、仲良くしてあげてね」と言っ…