2023-08-29から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 6」

三十六 料亭を出ると、夜風が気持ちよかった。 少量の酒だったが、何だか酔った気分になった。 風車はみねと手を繋いでいた。 僕はききょうを抱いていたので、それはできなかった。代わりに、きくが頭を預けてきた。それは少しの間だけだったが。 ききょうは…

小説「僕が、剣道ですか? 6」

三十五 船着き場に着いた。 風車は、みねの手を取りながら、桟橋に降りた。 舟は空いていた。 二艘使うことにした。 一つの舟には、風車とみねを乗せた。そして、もう一艘の舟に僕と行李を担いでいる小僧が乗った。 向こう岸には、すぐに着いた。 舟から下り…