2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十二 夕食は赤ちゃんの話題で盛り上がった。 ききょうが一番興味を示した。 「早く、赤ちゃんに会いたいな。男の子かしら、女の子かしら」 京一郎は「ぼくは弟が欲しいな。妹でもいいけれど」と言った。 きくは「どちらにしても、仲良くしてあげてね」と言っ…

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十一 滝岡は、「何ですか」と言いながらやって来た。 僕はディスプレイの静止画を見せて、「この男の横顔と戸田喜八さんの横顔を照合してみてくれないか」と言った。 「この男、帽子を被り眼鏡をしていますよね。素顔ならかなりの確率で照合できますが、どう…

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十 次の日、ひょうたんを鞄に入れて、黒金署に向かった。今日は鑑識課に行くつもりだった。どうせ鑑識が調べた調査書は、読むことができないことは分かっていた。それならば、調査書を作った本人の意識から、直に読み取るだけだった。そのためには、あやめが…