2022-05-27から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 7」

十 一週間が過ぎるのは、長かった。その間に、富樫と沙由理が見舞いに来た。 富樫は相変わらずだった。 「この不死身野郎が」と言って、いきなりベッドロックをしてきた。 「一応、入院中なんだけれどな」と僕が言うまで止めなかった。富樫のベッドロックも…

小説「僕が、剣道ですか? 7」

九 僕は病院のベッドの上にいた。 僕が呻くと「京介」と母が僕を呼んだ。僕は母の顔を見た。 母はナースコールを押した。すぐに看護師が来て、僕を見て「先生を呼んできます」と言った。 僕は母に「携帯を持っている」と訊いた。母は頷いた。 「僕の部屋にき…