2022-04-13から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 6」

八 僕が寝室に戻ると、「新しい家ですもの、京介様がいないと寂しくなります」ときくは言った。「厠に行っていたんだ」「そうでしたか」「寝よう」「はい」 昨日と同じことを言っていると思った。こんなことが続けば、いずれきくに気付かれるに違いなかった…

小説「僕が、剣道ですか? 6」

七 湯屋には草履で行った。「しまった。下駄を買うのを忘れていましたね」と風車が言うと「明日、買いましょう」と僕が言った。 脱衣所の上の棚に浴衣とバスタオルと洗ったトランクスを置くと、下段の棚に着物と今まで穿いていたトランクスと肌着を置き、手…