2022-03-11から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 5」

十六 きくはききょうがいるのでお汁粉を二杯頼んだ。僕は饅頭と串団子にした。風車はおはぎを五つ注文した。「五つも食べられるのですか」と僕が訊くと、「いつもならもっと食べていますよ。これでも遠慮しているくらいです」と答えた。「そうですか」 甘味…

小説「僕が、剣道ですか? 5」

十五 次の日、朝餉を早めにとって、少しくつろいでいると、使いの者がやってきた。 風車は刀を帯に差して、その者に従った。僕も定国を掴むとその後を追った。 宿の者には、また後で来ると告げて外に出た。 使いの者に風車は付いていった。その後を僕は追っ…