2022-02-21から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 4」

三十二 堤道場に行った。 門のところをたえが掃いていた。五年前と変わらなかった。「たえ、いや、おたえさん」と声を掛けた。 たえは顔を上げると、鏡京介を見て、信じられないとでもいったような顔をした。そして、すぐに涙を流し、走り寄って来て、僕の手…