2022-02-18から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 4」

三十一 風呂を出ると夕餉の支度がされていた。家老家では、夕餉は男性と女性で別の部屋で食事をすることになっていた。客として招かれたとしてもそれは変わらなかった。 大旦那様が上席に座った。その隣に今の家老である島田源太郎が座った。その反対側の上…

小説「僕が、剣道ですか? 4」

三十 翌朝、宿を早くに出ると、二里の道を急いだ。 そして、口留番所に来た。 僕は口留番所の手前の林で、ジーパンを穿き、安全靴を履き、着物で隠した。そして、通行する人の最後尾に並んだ。段々と順番が近付いてくる。僕はきくがおんぶしているききょうを…