2019-10-30から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか?」

三十六 数日間は何事もなかったが、その日の夕餉に佐竹が「鏡殿、明後日、登城せよ、との命が大目付様よりありました」と言った。 島田源太郎が「何用であろう」と佐竹に訊いたが、佐竹も「さぁ」と言うばかりであった。 だが、僕だけは分かっていた。大目付…