2022-09-05から1日間の記事一覧

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十五 午後一時になると、ズボンのポケットにひょうたんを入れて、緑川に「ちょっと出てくる」と言って安全防犯対策課を出た。 四階の待合席に行った。午前中に僕に声をかけてくれた女性に目礼して、席に座った。 ズボンのポケットのひょうたんを叩いて、「さ…

小説「僕が、警察官ですか? 3」

十四 自宅に戻ったのは、午後十一時半を過ぎていた。 きくは起きて待っていた。 「寝ていればいいのに。躰にさわるよ」と言うと、きくは「病気じゃないんだから、大丈夫です」と応えた。 椅子から立ち上がろうとすると、きくが「ウィスキーを飲みたいんでし…