2022-08-04から1日間の記事一覧

小説「僕が、警察官ですか? 2」

二十九 中島明子が南秋田駅で降りる時間は、ほぼ一定していた。午後七時四十五分だった。それは秋田駅から南秋田駅方面に向かう電車の本数が少なかったからだ。一本乗り遅れると、三十分は待つことになる。一時間に二本しか走っていなかったのだ。当然、乗る…

小説「僕が、警察官ですか? 2」

二十八 刑事が「これから事情聴取を始めます」と言った。この事情聴取は録画されているのだろう。 「まず、あなたの名前と生年月日、住所をお答えください」と言った。 男は「芦田勇、****年九月八日生まれ。住所は……」と言った。 僕は暗い部屋の中で、…