2022-03-31から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 5」

三十四 根来兄弟との差が縮まってくるにつれて、定国の唸りが大きくなった。「頼むぞ、定国」と僕は言った。 根来信一郎の時は、定国に助けられたようなものだった。 二人から、七、八メートルほど離れた所で、僕は止まった。「鏡京介か」と一人が訊いた。「…