2022-03-30から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 5」

三十三 次の宿場が見えてきた。「少し早いですが、あそこで宿をとりましょう」と僕が言った。「早いのは良いですよ。風呂上がりに碁でも打ちましょう」と風車が言った。 そうくるか、と僕は思った。 僕が風呂を出ると、きくとききょうが風呂に向かった。 ト…

小説「僕が、剣道ですか? 5」

三十二 きくが寄ってくると、「何て言われたのですか」と訊いた。 僕は少し考えて、「凶相が出ていると言われた」と答えた。「まぁ」 きくは振り向いて易者の方を見ようとした。しかし、その時には、易者は立ち去った後だった。素早かった。「変な易者でした…