2022-03-18から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 5」

二十三 宿場に着くと風車が食事処を探してくれた。 風車が見つけた所に行き、奥の部屋に通されると、僕は畳の上に倒れるように寝転がった。 女中が注文を取りに来た。僕はきくに任せた。 風車は「鰻はないのか」と女中に訊くとあると言うので、「では鰻定食…

小説「僕が、剣道ですか? 5」

二十二 湯船に浸かると、風車が「それにしても足袋の中に小判を入れるなんてね。思いつきもしませんでしたよ」と言った。「鏡殿は鋭いですな」と続けた。「それほどでもありませんよ。ただ、部屋に上がってまで足袋を履いているのが気になっただけです」と言…